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春植え付け 種イモの植え付け……2月中旬〜3月収穫……5月中旬〜6月
秋植え付け 種イモの植え付け……8月中旬〜9月中旬収穫……11月中旬〜12月中旬
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ジャガイモは【ナス科】の根野菜です。
オランダ貿易の取引で、ジャワ島のジャカトラから日本にもたらされた野菜です。
ジャカトラから来たいもという意味で「ジャガタライモ」と名前がつきました。
それがいつの間にか省略されて「ジャガイモ」と呼ばれるようになりました。
20℃前後の涼しい気候でよく育つため、春と秋に収穫されます。
北海道が全国生産量の約8割近くを占めます。
土地への適応能力が高く、多少の地質の悪さならものともせずに育ちます。
そのため、初心者にも育てやすいでしょう。
意外にも ビタミンC や B1 が多く、ビタミンCの量はリンゴの8倍ともいわれています。
B1に至っては半個で1日の必要摂取量に達します。
熱に弱いビタミンですが、ジャガイモの豊富なでんぷん質に保護されていますので、ゆでても半分以上が
壊れずに摂取できます。
日光に当たり青くなった表面や、生えてきた芽は、ソラニンというアルカロイド系の毒素を含みます。
暗くても湿度の高い所に保存すると発芽しやすいため、涼しい場所での保管が望ましいでしょう。
■歴史
ジャガイモはペルー南部に位置するチチカカ湖の畔が発祥とされています。
ヨーロッパ大陸に伝えられたのは、インカ帝国の時代、15世紀から16世紀頃とされています。
寒冷地に強く、年に複数回の栽培が可能です。
地中に作られることから鳥害にも影響されないことで庶民の食料として爆発的な普及をみせました。
麦、米、トウモロコシに並ぶ世界四大作物 としてその地位を確立しました。
参考:農林水産省統計(平成23年産)
ジャガイモはたくさんの品種があり、それぞれ食感が異なります。
基本的にはどれも育てやすいので好みの食感や使用目的(どんな料理に使うのか)で品種を選びましょう。
■春作向きの品種
l 男爵イモ······· ホクホクした食感でジャガバターに最適。
l メークイン······· 煮崩れがしにくく、皮も剥きやすいのでカレーなどの煮込み料理に最適。
l キタアカリ······· 小ぶりでホクホクした食感。多少煮崩れしやすいが電子レンジで使いやすい。
最近人気の品種。長めに保存できる。
l アンデス赤······· 粉質で舌触りがなめらかでカロテンを多く含み、食感を生かしたサラダ向き。
秋作もできる。
l シェリー······· 赤い皮が特徴。煮崩れが少ない。冷やしておくと甘みが増すので冷蔵がおすすめ。
l とうや······· ややねっとりとした食感で舌触りがなめらか。大ぶりのジャガイモがたくさん採れる。
l シャドークイーン······· 含まれているアントシアンの影響で、紫色の皮と紫色の果肉をもつ。
l シンシア······· 煮崩れが少なく、煮物に向いている。表面が滑らか。長期保存に向いている。
l ムサマル······· 甘みがあるホクホクしたジャガイモ。煮物にするととてもおいしい。
l インカのめざめ······· 小ぶりで黄みが強く、収穫量がやや少なめ。粘りと濃厚な風味もつ独特の食感。
料理を選ばず割と万能。
l インカのひとみ······ インカのめざめより収穫量が多い。独特の風味がある。
l 十勝こがね······· ねっとりとホクホクの間をとったようなバランスのよい食感でおいしい。
長期保存に向いている。
l ドロシー······· とても大ぶりなジャガイモ。見栄えがするのでフライドポテトに向いている。
l レッドムーン······· 赤い皮が特徴。煮崩れが少なく、煮物に向いている。ほんのり甘みがある。
l ノーザンルビー······· 赤い皮と赤い果肉が特徴。茎が短く狭い場所でも育てやすい。
■秋作向きの品種
l 農林1号······· 秋作の定番品種。関西・中部で栽培が盛ん。ポテトチップスにするとおいしい。
l デジマ······· ややねっとりした食感でおいしい。秋作すると形のよいジャガイモができる。
暖かい地方向きの品種。
l ニシユタカ······· 肉質が硬く煮崩れしにくいので煮物に向いている。ジャガバターにすると味が引き立つ。
l セトユタカ······· 柔らかい肉質で、油で調理することによってコクが増す。揚げ物や炒め物に最適。
l ワセシロ······· ホクホクしてクリーミーな食感が特徴。ポテトサラダや粉ふきイモに最適。煮崩れしやすい。
■種イモの準備
普段食べているジャガイモはウィルスなどの病気に弱く、そのため繁殖力も弱いです。
ウィルスに強い植え付け専用の種イモが売られていますので、病気を防ぐ意味でもこちらを購入しましょう。
芽の出た状態の種イモを植え付けます。基本的に種イモは縦に半分に切って使用します。
それぞれに2〜3芽くらいつくように、わけてあげてください。
そのまま植えてしまうと水分で腐ってしまうので、切り口に草木灰をつけて植えます。
または日陰で切り口を2〜3日乾燥させてから植えます。
1個30gほどの小さな種イモは、切らずに植えても大丈夫です。
畑栽培
l 苦土石灰。
l 野菜専用肥料。
※専用肥料がない場合は、有機配合肥料や化成肥料を用意しましょう。
l 草木灰。
l 黒のマルチフィルムまたは藁や腐葉土(使用する場合のみ)。
プランター栽培
l プランター(種イモを植えた時、左右の幅及び深さに30cm以上の余裕があるもの)。
または培養土が入っていた袋(深さ30cm以上のもの)。
l 野菜専用の培養土(元肥入り)。
※ 肥料も混ざっており、そのまま使える状態の土が売っています。
プランターで栽培するときはこちらを使用すると便利です。
l 底石。
l 野菜専用肥料。
※ 専用肥料がない場合は、有機配合肥料や化成肥料を用意しましょう。
l 草木灰。
■土づくり
畑栽培
ジャガイモは土地への適応能力が高い野菜です。
ある程度水はけがよければ、多少日当たりが悪い場所でも問題なく育ちます。
まずは成長の邪魔になる大きな石などを取り除いておきましょう。
植え付けをする2週間前ほど前までに、苦土石灰を土全体に加え、土の成分を中和させておきます。
1uあたり50〜100gくらいが目安です。
同じく植え付けをする1週間ほど前に野菜専用肥料を土全体に与え、深いところまでしっかりと耕します。
ジャガイモを植える場所に畝を作ります。
ジャガイモは隣同士の株間に30cm以上必要ですので、植える数から計算して畝の長さを決めてください。
高さはだいたい10〜20cmあればよいでしょう。
※ ジャガイモは連作が苦手なので、ナス科の植物を植えた場所は3年ほど避けてください。
プランター栽培
培養土の袋を使用する場合は、水はけをよくするため袋の底に穴を開けます。
プランターまたは袋の底に底石、その上に野菜専用の培養土をいれます。
あとで土を追加するので、上に5cmほどスペースを残しておいてください。
※ 市販されている野菜専用の培養土は、予め肥料も混ざっておりそのまま使えます。
■種まき・植え付け
l ジャガイモは20℃くらいの涼しい気温でよく育つ ので、植え付け時期は春(2月中旬〜3月)
または秋(8月中旬〜9月中旬)になります。
l 秋作では霜が降りる前までに収穫を終えるため、栽培期間が短くります。
l 秋作を行う場合は、秋作向けの品種を選んで植えましょう。
畑栽培
作った畝に30cm以上の間隔をあけて苗を植えるための穴を開けます。
穴は10〜20cmくらいの深さで掘りましょう。
用意しておいた種イモの切り口を下にして植えます。
※ あまり浅い所に植えてしまうと、ジャガイモが日の光にあたり青くなってしまうことがあります。
※ マルチフィルムや敷藁などで畝を覆うマルチングは、ジャガイモの成長にあまり必要ありません。
マルチングは雑草を生えにくくするためなどに使用してもよいでしょう。
その場合植え付け後に土の上を平らにならして、マルチフィルムで覆います。
予め穴を開けておくのではなく、成長して芽が出てきた部分に穴を開けましょう。
プランター栽培
まん中に10cmくらいの深さで穴を掘りましょう。
用意しておいた種イモの切り口を下にして植えます。
※ あまり浅い所に植えてしまうと、ジャガイモが日の光にあたり青くなってしまうことがあります。
培養土の袋なら1株、大きなプランターでも1〜2株が限界です。
■水やり
雨不足で乾燥しない限りは水やりする必要がありません。
逆に 水分が多すぎたり、水はけが悪いと病気が発生したりします。
■追肥・土寄せ
芽を抜いたあと、追肥と土寄せを行います。
追肥は1株あたり、野菜専用肥料大さじ3〜4杯ほどを根元近くにまきます。
その上と根元に4〜5cmほど周りの土を寄せてかけてあげます。
※ プランター栽培の場合は1株あたり大さじ2杯ほどの肥料をまき、培養土を4〜5cmほど追加します。
周りから土を寄せる時、浅い所に出来ているジャガイモを傷つけないよう注意しましょう。
1度目の追肥と土寄せから3週間ほどたち、20cmくらいにまで成長したら同じ方法で
もう一度追肥と土寄せを行いましょう。最後に収穫前にも土寄せしましょう。
※ 土寄せを怠ると、成長したジャガイモが地上に出てきてしまい青くなってしまいます。
■間引き(芽かき、摘芯)
ジャガイモを植え付けてから1ヶ月ほどで数本の芽が出ます。
その芽が10〜15cmくらいにまで成長したら、
丈夫そうな芽を1〜2本だけ残し他は引き抜いてしまいましょう。
芽を抜くときは他の芽を地面から出してしまわないように、きちんと根元を押さえながら行ってください。
■病気・害虫
病気にかかり虫がついてしまったら、
薬剤散布や感染部分の除去などを行い、迅速に対処してください。
主な病気はそうか病、粉状そうか病、疫病、黒あざ病、軟腐病などです。
主な害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、ネキリムシ、ジャガイモガ、テントウムシダマシ類などです。
連作障害が出やすいので、2年休栽してください。
■栽培法
良い収穫するには、良いタネイモを選ぶとよいでしょう。
親株から選びウィルスが入らないような無菌のタネイモを、信頼のおける園芸店等で購入しましょう。
茎や葉が黄色くなり半分程度が枯れたら、待望の収穫時期です。
鍬やスコップを使用する場合は、根元から離れたところからそっと行い、
ジャガイモを傷つけないよう気をつけながら掘ってください。
たくさんとれて楽しいです。
収穫直後のジャガイモは湿気に弱いため、晴れた日を選んで収穫しましょう。
収穫したジャガイモは風通しのよい日陰に置き、1〜2日かけて表面を乾燥させます。
日光に当ててしまうと表面が青くなったり、腐ったりします。
この青くなった表面や芽にはソラニンという毒素が生成されます。
取り除けば食べられますが、なるべく日に当てないようにしましょう。
表面を乾かした後は新聞紙にかるく包み紙袋や段ボールに入れ、風通しのよい冷暗所に貯蔵します。
ジャガイモには様々な調理法があり、それぞれ向いている品種などがあります。
メークインが煮物向きというのは有名ですね。
どの品種がどんな料理に向いているのかを簡単に「2.品種の選び方」の項目で紹介しています。
ぜひご参照ください。
■栄養と効能
ビタミンCやデンプンが豊富に含まれています。
更に加熱してもデンプンに保護されてビタミンCが壊れにくいです。
特に皮の部分に多く含まれているので 皮ごと食べる方が体に良いです。
アルカリ性食品なので体内の酸性化を防ぐので、肉料理に合わせると良いです。
またカリウムが体内の過剰な塩分や老廃物などの排泄を促す効果があります。
トリプトファンという物質が造血を促し、血行を良くするので体が温まり顔色も良くなり、貧血に効果があります。
芽や皮の緑色の部分にはソラニンという毒素が多く危険ですので、丹念にとってから調理することが大切です。
しかし、低温で貯蔵すると芽が出ません。
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