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植え付け |
種イモの植え付け |
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カブ(秋) |
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春まき 種まき……3月中旬〜5月中旬 収穫……5月中〜7月中旬
秋まき 種まき……9月〜10月中旬 収穫……11月〜12月
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カブは世界中で栽培されていますが、分類上はアフガニスタン原産のアジア系と中近東から
地中海沿岸原産のヨーロッパ系の2種に分かれます。歴史は古く中国では詩経に記載され、
ヨーロッパでは古代ギリシャの史料に多くみられました。
ヨーロッパで広く普及したのは16世紀からで、飼料用途が多かったそうです。日本では日本書紀に
持統天皇が栽培を推奨したと記されています。京野菜など西日本で見られる中国伝来のアジア系とともに、
東日本でヨーロッパ系が在来種として確認されています。
カブに含まれる成分はダイコンによく似ています。
根の部分にはビタミンCや消化酵素を助けるジアシスターゼ が多く含まれています。
カブの部分でも特に栄養が多く含まれている 葉の部分には、ガン予防に役立つビタミンAやビタミンB2、
ビタミンC が含まれています。
またストレス解消に有効なカルシウム、便秘気味な方に効果的な食物繊維など様々な栄養が含まれています。
その他にも消化促進、腹痛の緩和、咳止め、二日酔い、貧血予防などに効果的です。
参考:農林水産省統計(平成23年産)
カブは関ヶ原を境に東日本と西日本で系統の違うカブが栽培されおり、中国を経て渡来した
アジア型のカブは西日本 に、朝鮮半島を経て伝わったヨーロッパ型は東日本 に定着しています。
² ヨーロッパ系· 日本に渡来してきた時期はアジア型より遅いですが耐寒性のため東日本の寒冷地でも定着し多くの品種ができました。
l 山内 葉はあまり横に広がらず、濃緑色の長楕円形で肉厚でやや縮みがあります。
l 長カブ 大根型のカブで下部が太る徳利型のものもあります。地表に出た部分は青首状になり甘カブともいいます。
l 温海 山形県鶴岡市温海地域で、主に焼畑農法で栽培されていて歯ごたえが違います。
l 小カブ きめ細かい真っ白な肌で腰高の美しい形の、繊細な甘味です。
² アジア系··· アジア型は肥大した根が中〜大カブのものが多く、関西を中心に西日本で栽培されています。
l 寄居 肉質やわらかい、早生種の中カブです。
l 今市 早生種で中型、扁平な形をしたカブで風味があり葉もやわらかくて美味しいです。
l 聖護院 甘さやみずみずしさ、歯切れの良さが特徴です。
l 大野江 葉も赤い北海道の赤カブで、大野紅丸カブともいいます。
l 津田 勾玉(まがたま)のように曲がり、表皮は紅紫色で中は白く、切り口の赤とのコントラストが鮮やかです。
l 日野菜 ミニダイコンかと思うほど細長く、地下部の白と地上部の赤紫色の対照が鮮やかな日野菜(ひのな)カブです。
l すぐき菜 牛角型のめずらしいカブで、漬物となったとき風味のある酸味(乳酸発酵)から出来あがります。
畑栽培
l 苦土石灰···· マグネシウムを含む石灰質肥料です。酸性に傾きがちな日本の土壌を中性か弱酸性にするための中和剤として用いられています。
l 有機肥料···· 動植物質の肥料のことです。化学肥料に対して緑肥、堆肥、糞尿、魚肥などの事を言います。
l 化成肥料···· 2種類以上の肥料または肥料原料を使用し、これに化学的操作や造粒操作を加えて製造されたものです。チッソ、リン酸、カリのう
ちの2成分以上を保証し、その合計が15%以上のものをいいます。
l マルチフィルム…··· 畝の上に設ける、雑草の防除や保温・保湿、ムシよけのために使われるシートの事です。
l 種 ···· ご存じのタネです。生物学上200万種以上あります。
l 寒冷紗(かんれいしゃ)··· 荒く平織に織り込んだ布のことです。織り糸にはおもに麻や綿が用いられます。
プランター栽培
l プランター···· 草花を植えたり活けたりするための鉢や箱の事をいいます。
l 培養土または古土…··· あらかじめ植物に合わせて基本用土や補助用土などを混合してそのまま使えるようにした土をいいます。古土とは園芸で一度使った
土の事をいいます。日本ではベランダ菜園を楽しむ人が多いこともあって、土の再生利用の機会も増えてきています。
l 元肥···· もとひ、またはげんぴともいいます。植物の苗や苗木を植え付ける時などに事前に与える肥料のことをいいます。
l 種 ···· 好きなものを用意してください。
■土作り
畑栽培
種まきの1週間以上前に行いましょう。日当たりがよく水はけのよい場所でなおかつ2〜3年アブラナ科を
うえていないところ に植えてください。土の酸度を調整するために 苦土石灰を全面に まきます。
深さ30p程耕しならしたあとに高さ10p程の畝をつくり、畝の両側に有機肥料と化成肥料をまいて
マルチフィルムをかけます。
プランター栽培
培養土 または 古土 を使用します。元肥が入っていないものを使用した際は間引きや追肥をする際に元肥を与えてください。
■種まき・植え付け
畑栽培
マルチフィルムの穴の所を6o程度堀って、そこに種を7粒ほどまきます。
軽く土を被せて手で上から押え密着させます。その上に目の細かい寒冷紗でトンネルを作っておくと
双葉を狙う鳥やアブラムシ対策になります。
プランター栽培
カブは栽培期間が短いのでどんなプランターでもよく育ちます。
種間隔は0.5pが目安です。
■水やり
畑栽培
発芽するまでは、土が乾燥しないよう十分に水を与えましょう。発芽後はあまり水を与えすぎるのもよくないので、
極端に乾燥しているとき以外は与えすぎないように注意してください。
プランター栽培
土表面が乾いてきたら、プランターの下の穴から水が勢いよく流れるまでたっぷり与えます。
あまり頻繁に水を与えすぎると根腐れにより生育不良になってしまうので
特に冬場は注意してください。乾燥時の水やりは、追肥を兼ねて液体肥料を与えてもよいでしょう。
■追肥・土寄せ
畑栽培
2回の間引き以降、間引きの度に科学肥料か、油カスを株間にまき軽く土に混ぜて土寄せをします。
この土寄せをすると、表面が白く綺麗になる効果があります。
プランター栽培
栽培期間は短いですが、肥料切れによって“す”が入ってしまう場合があるので定期的に追肥をしてください。
元肥が入っていない培養土や古土を使用した場合は 間引きをする時に元肥を1回与え、それ以降は3週間おきを
目安に定期的に追肥 します。葉の色合いを見て葉色が薄かったり黄色っぽくなったりして明らかに栄養不足と
考えられる場合は液肥を与えてみましょう。
※ 水の与えすぎや日照不足による生育不良を肥料不足と間違えて追肥してしまうと逆効果になるので要注意です。
■間引き(芽かき・摘心)
子葉が開いてから数回 混み合った部分を間引きします一度に抜かず、葉が触れ合う程度になったら行うと
よく育ちます。本葉が大きくなって枚数が増えてきたらまた間引きします。
本葉が5〜6枚で株間が10〜15pになるようにします。
※ 間引きしたものもおいしくいただけるので捨てしまわないようにしましょう。
■病気・害虫
アブラナ科の代表的な連鎖障害、根こぶ病を防ぐには、続けてアブラナ科の野菜を栽培しないことが大切です。
ただし、最近の研究で、根こぶ病が多発している畑に、同じアブラナ科のダイコンを小カブの前に栽培すると、
その後に小カブを栽培しても根こぶ病の発生が減少したことが判明しました。
また、根こぶ病の抵抗性品種を利用するのも効果的です。
品種名の冠に「CR」とついた品種(’CRもちばな’’CR鷹丸’など)が目印です。
■栽培方法
まき場所は、種をまく一週間前に肥料を入れてよく耕しておくと良いでしょう。
水もちがよく粘土質の良い場所を好みます。
クワ幅でまき溝を掘り化学肥料を施し、ばらばらまきか2条すじまきにします。
カブがあまり大きくならないうちに収穫を始めます。秋まきは種をまいてから40〜50日程度で
小カブができます。小カブは直径5pくらいに収穫するのがよいでしょう。
品種によってはそのまま大きくしてから収穫することもできますが、収穫するのが遅れると割れたり、
“す”が入ってしまい、味が落ちるので注意してください。
秋まき・冬取りのカブは収穫期間が長いですが、春まき・夏取りのカブは品質低下が早いので
早いうちにどんどん収穫していきます。葉の付け根を持ってまっすぐ引き抜きましょう。
根部だけでなく葉にも栄養が豊富で美味しいので両方とも料理に取り入れましょう。
根部……煮物、酢の物、蒸し物、漬物、サラダなど…
葉………炒め物、和え物、味噌汁、菜飯、煮物、漬物など…
煮る時は煮崩れしないように面取りをします。また含め煮などをする場合は、
下ゆでをすると味がしみやすくなります。
カブは火の通りが早いので、煮すぎないよう注意してください。煮すぎると筋っぽくなって
美味しさが消えてしまいます。
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