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種イモの植え付け 4月〜5月 収穫 10月中旬〜3月
ナガイモ【ヤマイモ科】は根菜類で、ヤマイモの品種の一つです。
ヤマイモには中国原産で平安時代から日本で栽培されている種と、日本原産で野山に自生していた種があり、
その総称がヤマイモです。
ナガイモは中国原産の栽培種にあたり、日本原産の自生種で有名なものは自然薯があります。
日本には17世紀以前に伝わりました。
豊富なデンプン質に、タンパク質やミネラルも含む健康食品です。
消化を促進する消化酵素(ジアスターゼ)も多く含まれ、胃もたれを抑制し疲労回復の作用があります。
このジアスターゼは熱に弱いので、とろろとして生でいただくとより効果的でしょう。
とろろの粘りのもとであるムチンには、新陳代謝を高める効能があり、肌荒れ対策など美容効果も期待できます。
参考:農林水産省統計(平成23年産)
ヤマイモには他にも、ネバリイモ・ヤマトイモ・ツクネイモ・イチョウイモ・イセイモなど様々な品種があります。
ナガイモ・自然薯・粘りイモなど、長さが50〜100cm以上に成長する、長形のナガイモ類です。
ナガイモは寒さに弱く、17〜30℃くらいでよく育ちます。
植え付けは気温の上がっていない時期に植えるのは避けましょう。
最低でも平均の気温が14℃くらいになる4月から5月頃に行います。
l ネバリイモ 甘味も粘りも、ナガイモより食味も良い短系の品種です。
l ヤマトイモ 芋は扁形で、下に広がる(イチョウ形)の粘りが強い品種です。
l ツクネイモ 粘りが強い品種です。
l イチョウイモ 扁平でかつ扇形をしています。
l イセイモ 江戸時代から、現在の三重県多気郡多気町地方で栽培されているヤマノイモの一種です。
l 苦土石灰(1uあたり50gくらい)。
l 有機配合肥料。
l 支柱(2mほどのもの)。
l ひも(結束用)。
l ナガイモネットまたはキュウリネット(使用する場合のみ)。
l 黒のマルチフィルム(使用する場合のみ)。
l 種イモ(家庭では切りイモが最適)。
l わら(使用する場合のみ)。
■土づくり
石灰をまき、80センチくらいの深さまでよく耕します。
土壌適応性が高いため砂地での栽培できますが、良品を得ようとするなら耕土が深く肥沃な土壌がよいです。
■種まき・植え付け
作った畝に25〜30cmほどの間隔をあけて苗を植えるための穴を開けます。
穴は種イモの上に5cmほどの厚さで土がかけられるくらいに掘りましょう。
あまり深くに植えると芽が出にくくなったり種イモが腐ってしまったりするので注意しましょう。
すでに芽が何本か出ている場合は、大きいものを1本だけ残し他を取ってしまいます。
芽が長く成長している場合は、植えるときに芽を地上に出しておいてあげましょう。
黒のマルチフィルムや敷わらで畝を覆います(マルチング)。
芽が出てくるあたりに穴をあけておきます。
■水やり
水やりは基本的に土が乾燥した時に行います。
定期的に雨が降るようでしたら行わなくてもよいでしょう。
■追肥
追肥は梅雨が明けた頃に一度行い、7月下旬から8月中旬あたりまでに1〜2回行えば大丈夫です。
畝の周りに追肥し軽く耕しましょう。(成長中期までは主肥を中心に与え、後半は控えめにします。)
■間引き(芽かき・摘芯)
ムカゴの除去
大きく育つと葉のつけねにムカゴが出来ます。
これはヤマイモの種のようなもので、収穫して食べることができます。
またこれを1年から2年育てると種イモ(子イモ)として使うことができます。
ムカゴはたくさん出来ますが、放っておくとムカゴにばかり養分が取られてしまいます。
根の成長が阻害されますので、必要な分を残し他はなるべく小さいうちに取り除いてしまいましょう。
誘引
つるが伸びたら、支柱をたてて葉や茎同士がなるべく重ならないように誘導していきます。
支柱は種イモを植え付けた所から少し10〜15cmほど離した所に立てましょう。
ナガイモのつるは3mほどになるため、支柱だけでなくナガイモネットやキュウリネットを利用すると
誘引作業がしやすいでしょう。
■病気・害虫
主な病気には葉渋病や炭そ病などがあります。
また、アブラムシやヤマノイモコガ、ネコブセンチュウなどの虫がつくこともありますが、
基本的に山育ちの強い植物なので害虫被害は少ないです。
かといって全く被害がないわけではないので、予防の一環として連作は避けましょう。
■栽培法
地温調節
梅雨が明け気温が上がってくるとマルチフィルムが熱くなり、地中の温度をあげすぎてしまうことがあります。
この様な場合にはマルチフィルムの上に敷わらをしましょう。
パイプ栽培
クレバーパイプという道具を使用し、ナガイモの伸びる方向を誘導することでナガイモが曲がってしまうことを防ぎ
かつ収穫もしやすくする栽培方法です。
これを使用することで浅い畑でもナガイモを栽培することができるようになります。
パイプ栽培の方法は、まずパイプに石灰や肥料などが入っていない無菌の土を入れます。
このパイプを約20°の角度で地中に埋めましょう。
パイプの受口部分の真上に種イモの発芽部分がくるようにします。
この時、種イモとパイプの受口部分との間は20cmほどの間隔をあけるように設置します。
植えるときは種イモのお尻側がパイプの下がっていく方向へ向くようにします。
種イモがきちんと受口部分の真上に来ているか確認する際は、案内棒を作って使用するとよいでしょう。
案内棒は、25〜30cmほどの長さの棒で作ります。
棒の先端から20cm(種イモを植える高さ)のところと、25cm(上を覆う土の高さ)のところに目印をつけます。
種イモを植える位置にさし、先端がパイプの受口部分にあたるようにして、
目印を頼りに種イモを植え付け、土をかければ種イモを正確な位置に植えることができます。
※クレバーパイプが手に入らない場合は塩化ビニール製のパイプを縦に半分に切って使用してもよいでしょう。
パイプのサイズは太さ8cmほどが目安です。長さは品種に合わせて調節しましょう。
この場合、パイプに入れる土は畑と同じでよいでしょう。
波板栽培
パイプ栽培と同じく、波板を利用しナガイモの伸びる方向を誘導することで浅い畑でも栽培を可能にして
収穫しやすくする方法です。
波板栽培の方法は、まず 波板を約20°の角度で地中に埋めます。波板の長さは品種に合わせて調節しましょう。
波板を 埋める深さは、頂部が深さ5〜10cmくらいになるように埋めてください。
波板の上に種イモの発芽部分がくるようにします。この時種イモと波板の間は20cmほどの間隔をあけるように
設置します。植えるときは種イモのお尻側が板の深くなる方へ向くようにします。
植える種イモの数は、用意した波板の幅に合わせて種イモと種イモの間に25cmの間隔をあけられるように
考えましょう。
種イモがきちんと波板の上にあり、20cmの間隔があいているか確認する際は案内棒を作って
使用するとよいでしょう。
案内棒は、25〜30cmほどの長さの棒で作ります。
棒の先端から15cm(種イモを植える高さ)のところと20cm(上を覆う土の高さ)のところに目印をつけます。
種イモを植える位置にさし、先端が波板にあたるようにして目印を頼り深さを確認し種イモを植え付け、
土をかければ種イモを正確な位置に植えることができます。
植え付けから半年以上が経つと地上の茎やつるが完全に枯れます。
枯れてから1週間ほど経ったら、待望の収穫時期です。
ナガイモを傷つけないよう周りから丁寧に掘りだします。
乾燥や日光に弱いので、収穫後のナガイモは直射日光や
風に当てたりしないようにしましょう。
土が凍らない地域であれば3月頃まで土の中に置いておくことができるので、毎回食べる分だけ収穫して
楽しみましょう。
寒さが気になるようであれば畝にマルチフィルムや敷わらでマルチングを行っておけば地温が保てます。
収穫後保存をする場合は、土つきのまま新聞紙に包んで冷暗所に貯蔵するとよいでしょう。
ただし、掘りだすときに傷をつけてしまった場合はそこから傷んできてしまいますので早めに食べてください。
パイプ栽培や波板栽培を行った場合は、埋めたパイプや波板をそのまま掘りだすと簡単に収穫できます。
早ければ10月中旬から長くて翌年の3月までが収穫時期になります。
■種イモの収穫
切りイモ
収穫したナガイモのつるにつながっている方を15〜20cmほど切り落とします
(反対側はもちろんおいしく食べられます)。
切り口に腐敗防止用に草木灰をつけ、日陰で2日ほどかけて乾燥させます。
段ボールもしくは麻袋などに籾殻をつめ、その中にナガイモを埋めて室内で保存します。
蓋をせずにタオルや不織布をかけておきましょう
これで保存状態に問題なければ次の年に切りイモとして使用できます。
ムカゴ(子イモ)
大きく育ったナガイモの葉の根元に出来ます。
これはヤマイモの種のようなもので、収穫して食べることができます。
とろろとして生でいただくと、含まれる消化酵素(ジアスターゼ)を破壊せずに摂取することができるので、
胃もたれの抑制や疲労回復に効果的です。
生のナガイモを触る際に手が痒くなることが多いので、手に酢水や塩をつけて触るとよいでしょう。
短冊切りにし、天ぷらにして塩でいただくのもおいしい食べ方です。
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