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植え付け 4月下旬〜5月中旬 収穫 6月〜10月
ナスは【ナス科】の実野菜です。
ナスは、「一富士二鷹三茄子」と言われるように縁起物として有名な夏野菜です。
原産国はインドで、古い時代から世界各地に広まり栽培されていました。
日本でも、奈良時代にはすでに食されていたという記録が残っています。
ナスの名前の由来には様々な説があり、有力なものは「夏の実」または「夏の味」に由来する正式名称の「ナスビ」が、
室町時代の宮中の女官たちに「おなす」と呼ばれるようになり、さらに略され一般的に「ナス」の名前が浸透したというものです。
ナスは低カロリーで、調味料の吸収がよいので味がよく染みる優秀な食材です。
秋ナスは体を冷やす作用があるとされ、高血圧の予防に効果的であると考えられてきました。
と同時に女性の体にさわるとして「秋ナスは嫁に食わすな」などと言われてきた野菜です。
家庭菜園でも人気の野菜で、春の終わりに植えておけば初夏から秋までの長い期間収穫が楽しめます。
参考:農林水産省統計(平成23年産)
ナスには国内だけでも180種類以上のたくさんの品種があり、それぞれ形や色が異なります。
育てやすい気候などが異なりますので、栽培場所など考慮に入れて品種を選びましょう。
ここではナスの形からの分類をご紹介します。
l 小ナス(一口なす)
濃い紫の柔らかい皮をもち、一口で食べられるほど小さなナス。
小型のため、株も比較的大きくは育たず、栽培期間も短い。
他のナスより寒さや暑さに弱いので注意が必要です。
種が少なく、漬物や煮物に適しています。
種類は、椀ぎ(もぎ)・民田(みんでん)・出羽小ナス などがあります。
l 丸ナス
濃い紫色で、大きな丸型のナス。
関西や信越などで栽培が盛んで、比較的寒い地域でも育ちます。
株の成長力もあり、暑さにも強いです。
漬物や煮物に適しています。
種類としては、加茂ナス・へた紫ナス・巾着・大阪丸・魚沼巾着 などがあります。
l 卵形ナス
黒紫色で薄い皮をもち、卵型または長卵形です。
関東で栽培が盛んで、締まった果肉をもつため浅漬けに適している。
種類は、千成・真黒(しんくろ) などがあります。
l 中長ナス
柔らかい果肉をもつ長卵形のナスで、形は長ナスと卵型ナスの中間位になります。
現在では全国で広く栽培されています。
栽培期間が比較的短く、初心者でも育てやすいため家庭菜園やプランター栽培向きです。
種類は、千両ナス・千両2号・橘田(きった)大阪中長・黒帝 などです。
l 長ナス
20〜25センチある柔らかい果肉が特徴です。
関西以西と東北で栽培が盛んで、特に関西で人気があります。
煮物に適しており、皮の柔らかいうちに収穫した早採りは漬物にされます。
種類は大阪長・大仙長・熊本長・津田長・仙台長・河辺長などです。
l 大長ナス
長さが40cmを超えることもあるという大きな実が特徴です。
九州で栽培が盛んで、比較的暖かい地方での栽培が適しており乾燥にも強いです。
柔らかい果肉のため、焼きナスや煮物が美味しいですが皮は硬いため漬物には適しません。
種類は、久留米長・長崎長・博多長果実などです。
l 水ナス
皮が軟らかく生のままでも食べられるほどみずみずしいです。
大阪泉で栽培されている特産品で、漬物がおいしいです。
l 米ナス
アメリカのブラックビューティーという品種をもとに、日本で改良し栽培した大型のナス。
日本のナスと違い、がく(へた)が緑色です。
皮が厚く果肉が締まっているため煮崩れしにくく、洋食の煮込み料理に向いています。
■苗の選び方
虫食いがないこと。
葉の大きさが大きくて厚さもあること。
葉の色が濃い緑色で光沢があること。
本葉の数が5〜7枚あって子葉がしっかりついていること。
茎が太く節の間隔が詰まっていること。
茎の色が濃い紫色であること。
接木の苗であること(接木の苗は、土壌伝染性病害虫に強く丈夫なので家庭菜園向きです)。
※種から育てる方法もありますが、家庭菜園の場合は苗から育てることをお勧めします。
畑栽培
l 苗。
l 苦土。
l 野菜専用肥料。
※専用肥料がない場合、有機配合肥料や化成肥料などを用意。
l 支柱 1株3本程(120mほどのもの)。
l ひも(結束用)。
l 石灰黒のマルチフィルムまたはわらや腐葉土。
プランター栽培
l 苗。
l プランター(深さ20cm以上の大型のもの)または10号前後の鉢。
l 鉢底ネット。
l 底石。
l 野菜専用の培養土(元肥入り)。
※肥料も混ざっており、そのまま使える状態の土が売っています。
l プランターで栽培するときはこちらを使用すると便利。
l 野菜専用肥料(追肥の分は液体タイプでも可)。
※専用肥料がない場合は、有機配合肥料や化成肥料などを用意。
l 支柱 2〜3本(80cmほどのもの)。
l ひも(結束用)。
l 黒のマルチフィルムまたはわらや腐葉土。
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■土作り
ナス栽培の土作りは、植え付け予定日の7〜10日前 に済ませておきましょう。
根が深く張るので、深く耕して元肥をたっぷり施しておくことが大切です。
1u当たり石灰150〜200ml程度、配合肥料200mlを
全面にまき、深さ30cm以上までよく耕しベッドの幅は70cmとし、
中央に深さ30cmの溝を掘ります。溝にさらに元肥を施し、
埋め戻して高さ10cmのベッドを作ります。
元肥は溝1m当たり配合肥料200ml、堆肥3L、熔リン30mlが目安となります。
■種まき・植え付け
ナスは気温が20〜30℃の暑いくらいの気温でよく育ちます。
植え付け時期は気温が上がった4月中旬〜5月中旬 になります。
苗の成長には温度管理は欠かせません。昼は24〜25℃程度で夜は16〜18℃程度であれば
たっぷり水やりをし、健康な苗が育ち、茎の節目も長すぎず短すぎずちょうどよくなります。
畑栽培
作った畝に60cmほどの間隔をあけ、苗を植えるための穴を開けます。
穴は苗が入っているポットと同じくらいの大きさで掘りましょう。
植える前に掘った穴に水をあげておきます。
苗のポットを逆さまにして、ポットを優しく外します。
掘っておいた穴に、浅めに植えます。
※ポットから苗を取りだすときや苗を植える時には、根を崩して傷めないように注意 しましょう。
土を軽く手で押さえ、根元に水をやります。
植え付け後、苗から10cmほど離した場所に支柱を立て、苗の茎の部分を支柱に軽く結びます。
支柱に結ぶ時は、緩すぎず、きつ過ぎないようにしましょう。
プランター栽培
理想は 大型のプランターまたは10号前後の鉢に一株 です。
複数植える場合は幅65センチ以上のプランターに2株が限界でしょう。
複数植える場合は苗と苗の間を40〜50cmほど離します。
苗を植えるための穴を開けます。穴は苗が入っているポットより少し深めに掘りましょう。
掘った穴に野菜専用の肥料を入れます。
その上から培養土を追加し、植える前に掘った穴に水をあげておきます。
苗のポットを逆さまにして、ポットを優しく外します。
掘っておいた穴に、浅めに植えます。
※ポットから苗を取りだすときや苗を植える時には、根を崩して傷めないように注意しましょう。
土を軽く手で押さえ、根元にたっぷりと水をやります。
植え付け後、苗から10cmほど離した場所に通常3本の支柱を立て、苗の茎の部分を支柱に軽く結びます
支柱に結ぶ時は、緩すぎず、きつ過ぎないようにしましょう。
プランターまたは鉢は風通しがよく、最低でも半日は日のあたる、日当たりのよい場所 に置きましょう。
■水やり
乾燥に弱い ので、土が乾いてしまわないように毎日たっぷりの水をあげましょう。
■間引き(芽かき・摘芯)
わき芽かき
ナスが成長し最初の花がついた頃、この花の下とその下についた元気なわき芽(側枝)2本を残します。
他のわき芽は全て取り除きましょう。
わき芽を放置すると、風通しが悪くなったりします。
光を葉が覆ってしまうので日が当らなくなり、養分を取られてしまうなど株の生育を阻害してしまいます。
必ず整枝するようにしましょう。枝が大きくなってくるので、丈夫な支柱を増やし成長した枝を支えましょう。
主枝とその下の太い2本のわき芽をのばして枝3本で仕立てる「3本仕立て」が一般的です。
■追肥(土寄せ)
ナスは 養分を大量に必要とする野菜 のため、土の栄養不足になりがちです。
実がついたら、栄養を補うため2週間ごとに追肥 を行いましょう。
※プランター栽培で液体肥料を追肥に使用する場合は、10日に1度ほどの頻度で行います。
追肥を行うときは、根に直接かけてしまわないよう注意しましょう。
ナスの場合、肥料が多すぎて傷むようなことはほとんどありません。
花の色が薄い場合や大きさが小さい場合、また雌しべ(緑)が雄しべ(黄)よりも短い場合などは、栄養不足です。
その際は肥料をあげましょう。
栄養不足になると実が硬くなりますので、肥料や水不足には十分気をつけましょう。
■病気・害虫
ナスは虫がつきやすい野菜です。
病気や害虫に強い接木の苗で育てることが第一です。
虫が発生してしまったら周囲に移動してしまう前に、薬剤散布など、迅速に対処 してください。
よく付いてしまう虫
アブラムシ・ハダニ・チャノホコリダニ・アカダニ・スリップス・オオニジュウヤホシテントウムシなどです。
アブラムシは牛乳をスプレーしたり根元にアルミ箔を敷くことで駆除できます。
ハダニはドクダミの葉や茎からでる汁で葉の裏を拭きとると駆除できます。
アブラムシを食べるテントウムシやテントウムシの幼虫を放します。
また、殺虫成分を発生させる草花(マリーゴールドなど)を一緒に植えるとよいでしょう。
■栽培法
誘引
ナスの成長に合わせて、真っ直ぐ上に成長するように誘引します。
緩すぎず、きつ過ぎないよう優しく支柱に結びましょう。
秋ナスを収穫するための剪定
7月中旬〜8月初旬、暑くなってくると今まで実を成長させていた疲れと暑さで株が弱って成長が遅くなります。
そこで、枝の分岐部分から各枝の葉を2〜3枚ずつ残してその先をバッサリと切り落とします。
美味しい秋ナスの収穫が楽しめます。剪定後には必ず追肥 をしてあげてください。
7月下旬〜8月上旬の間に株全体の1/2〜1/3の枝を切り詰める更新剪定を行います。
その際、株を中心に半径30cmほどの円周上にスコップを回転させるように土にさし、根を切ります。
さらにスコップを差し込んだ穴に追肥しておきましょう。
更新剪定後にのびた枝には9月〜10月まで再びよい実がつきます。
これがおいしいといわれる秋ナスです。
ナスの花が咲くとそこから実ができてきます。咲いて1ヶ月ほど経つと待望の収穫です。
初めて出来たナスはまだ小さいかな、といううちに収穫しましょう。
取れ始めにできたナスを早めに収穫すると、株にわたる栄養に余裕ができ
長く収穫が楽しめるようになります。
そのあとのナスは見るからに色と艶がいいものから順次収穫していきます。
収穫が遅れてしまうときれいな皮の紫の色が薄くなり硬くなり、果肉にタネが増えます。
また大きくなりすぎて枝が折れてしまうこともあるので、早めに収穫しましょう。
収穫後、その都度追肥をしてあげるとおいしいナスがより長く収穫できます。
また、収穫したところの葉をとってあげると風通しがよくなり虫の予防になります。
6〜9月までが旬のナスの収穫時期になります。
7〜8月に剪定作業を忘れず上手に育てると、10月まで美味しい秋ナスが収穫できます。
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ナスは切り口が空気に触れると、果肉がすぐに変色を起こしてしまうデリケートな野菜です。
基本的には切ったらすぐ切り口を水につけてアク抜きを行います。
焼いたり揚げたりする場合、ナスの旨みの凝縮した水分が流れ出るのを防ぐため、調理は強火で行います。
また油をよく吸うので、高カロリーにならないよう油の使用料には十分注意しましょう。
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