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種イモの植え付け |
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サトイモ |
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種イモの植え付け 4月〜5月 収穫 9月〜11月
サトイモはサトイモ科の植物で、熱帯アジア・マレー地方が原産地です。
日本での栽培歴史は古く、稲作が伝わる前の縄文時代にはすでに渡来し栽培されていた形跡が残されています。
また江戸時代「サツマイモ」や「ジャガイモ」が入ってくるまでは、イモといえばサトイモが主流でした。
普通は地中で肥大した茎(いわゆる親イモ・子イモ)を食用とします.
また幼芽(芽イモ)や葉柄(ずいきと呼ばれる)を食べる品種もあります。
イモの種類の中では、低カロリーで栄養分は タンパク質 や ビタミンB1、カリウム を含み 食物繊維 も多いです。
皮を剥くとぬめりがありますが、ぬめりに含まれる「ムチン」「ガラクタン」「マンナン」という成分は食物繊維の一種です。
この成分は、粘膜を丈夫にし、胃壁を守ってくれ、また便通を良くし、消化促進、免疫力向上作用 も含まれています。
生産量は千葉県が1位です。
歴史
熱帯のアジアを中心として重要な主食になっている多様なタロイモ類のうち、最も北方で栽培されているものです。
日本には縄文時代に伝わったと言われています。
名称の由来は、山地に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることからサトイモという名が付いたということです。
栽培は比較的容易です。水田などの水分含量の高い重粘な土質で日当たり良好かつ温暖なところが栽培に適します。
参考:農林水産省統計(平成23年産)
品種によって芋のつき方や主な食用部位が異なります。
大きく分けると子芋を食べる【子芋用品種】、親芋を食べる【親芋用品種】
親芋と子芋の両方を食べる【親子兼用品種】、葉柄(ずいき)を食べる【葉柄用品種】があります。
² 子芋用品種 「土垂れ」「石川早生」「えぐいも」など。
l 土垂 土垂(どだれ)は主に関東地方で多く栽培され里芋=土垂(どだれ)というくらい定着しています。
l 石川早生 ぬめりがありねっとり感が強く、イモのつきがよくて病気に強いです。
l えぐいも 貯蔵性に富み、サトイモの一品種でえぐ味が強いです。
² 親芋用品種 「京芋(筍芋)」「タイモ」など。
l 京芋 京芋は、日本一大きい“いも”です。普通のサトイモとは異なり形は円筒形で大きいのが特徴です。
l タイモ 切り口が灰色かかった薄紫色をしています。
² 親子兼用品種 「八ツ頭」「唐芋(えび芋)」「赤芽大吉」「セレベス」など。
l ハツ頭 茎も食べられて、シャキシャキと歯ごたえが特徴です。
l 唐芋 親芋は楕円形で太く、子芋は長く曲がっています。茎はズイキとして利用されています
l 赤芽大吉 しっとりとして滑らかなでふっくら、ほくほくとした柔めの舌触りのサトイモです。
l セレベス 親芋も小芋も食べられる芋でカロリー少なめのヘルシーな品種です。
家庭菜園では、もっともポピュラーな以下3点の品種がおすすめです。
l 【土垂れ】 きめが細かく煮崩れしにくく栽培しやすい。
l 【石川早生】 イモのつきがよくて病気に強く、ぬめりがありねっとり感が強い。
l 【八ツ頭】 葉柄も食べられ、栗のようなほっくり感があって風味がある。サトイモでは高級品
畑栽培
l 種イモ。
l プランター(芽出し用)。
l ビニールやポリフィルムなど。
l 堆肥。
l 苦土石灰。
l 化成肥料。
プランター栽培
l 種イモ。
l プランター(深さ30p以上)。
l 野菜用の培養土。
l 腐葉土。
l バーキミュライト。
l 化成肥料(必要であれば)。
※イモ類でプランターでの栽培はあまりイメージがわかないと思いますが、工夫次第で栽培を行なう事が出来ます。
栽培場所
乾燥が苦手ですのでできるだけ乾燥しない湿気のある場所で水はけが良く、肥沃でやわらかな土壌の畑が望ましいです。
連作に弱い為、同じ土での栽培は3〜4年以上はあけてください。
※プランターの場合は湿気のある場所で半日くらい日が当たる場所が適しています。
■土作り
畑栽培
植え付けの1ヶ月〜2週間前までに1u当たり堆肥2kg、苦土石灰50gくらいを混ぜ込んでおきます。
酸性土に強めの野菜なのであまりアルカリ性にすると病気の元になります。
1週間前くらいに元肥を畑全面に施し,よく耕して整地をしておきます。施肥量は1u当たり化成肥料50gほどです。
植え付け当日に畝を幅90p程度で作り、幅15cm,深さ15cmの植え溝を作ります。
プランター栽培
肥料など既に含まれている野菜用の培養土が一番適しています。
他にも腐葉土やバーミキュライト(大体2:2の割合で)を混ぜてふかふかの土にしておきましょう。
時期は4月〜5月頃、丁度ゴールデンウィーク前後に始めるといいでしょう。
種イモが大型のものほど収量が多くなり、発育も良好です。次の様なものを選びましょう。
n 大きさは40〜60gほどでふっくらと丸くふくらんだ形の良いイモ。
n 頂芽が欠けていない。
n 傷がついておらず、病気にも侵されていない。
畑栽培
種イモを、植え溝に株間50〜60cm程度で頂芽を上にし倒れない程度に縦に差し込みます。
植え付けが終わったら、10p程度に均等に土をかけて畝全体にポリマルチ(黒マルチを推奨)をします
地熱を高める事により発芽し易くなります。
植え付け後、2〜3週間程で発芽します。芽が少し伸びてきたらすぐにマルチに穴をあけ芽を外に出します。
プランター栽培
種イモを植えるときは芽を上にして置き、深さは種イモの1.5倍くらいにします。
目安は10号鉢で1個、プランターの場合は2個植えます。
(生育中に増し土をするので10p程度のスペースを空けておきます。)
植え付け後は土を被せ、水をたっぷりと与えましょう。
腐葉土やビニールシートで覆って保温しておくと、乾燥防止にもなり発芽も早くなります。
■水やり
梅雨明け後など、気温が高温になり雨が降らないでいると、乾燥しやすくなります。
サトイモは乾燥に弱いので、防止する為に畝の上にわらや枯れ草を敷き、
週に1〜2回程度午前中にたっぷりと水を与えましょう。
特にプランターの場合は土が乾燥し易い為、定期的に水を与えましょう。
■追肥・土寄せ
畑栽培
1回目
本葉が2〜3枚になったらポリマルチを取り除き、追肥を行ないます。
1u当たり化成肥料を30g株元に施し、除草・中耕をして軽く土寄せをします。
1つの種イモから2つ以上の芽が出た際には太く強い芽を1本残して、他を株元から除去するといいでしょう。
2回目
本葉が5〜6枚になったら子イモがつき肥大を始めるので、追肥と中耕・土寄せ(約5p程度)をします。
3回目
7月上旬から下旬になると孫イモが肥大を開始するので、追肥と土寄せ(約10p程度)をします。
この土寄せを厚くおこなうと長いイモになりやすくなりますが、不足していると成長が悪くなります。
プランター栽培
5月中旬頃から1ヵ月おきに1回程度増し土を行ないましょう。
生育を良くする為には土を増やし、イモの露出を防ぐ事が大切です。
1回目
草丈が40〜50pになり本葉が2〜3枚になった頃、株元に土を軽く増やします。
1つの種イモから2つ以上の芽が出た際には、この時に太く強い芽を1本残して、
他を株元から除去するといいでしょう。
2回目
6月下旬頃に本葉が5〜6枚になったら1株当たりに10gの化成肥料を与え、
株元へ4〜5cm土を増やします。この頃から子イモがつき肥大を始めます。
3回目
梅雨明け頃7月上旬から下旬にかけて、孫イモが肥大を開始するので
さらに株元へ4〜5cm土を増やします。
■間引き(芽かき・摘芯)
良いサトイモを作るために、サトイモの芽が何本もでている時は、1本に統一するために間引きします。
大きいものを残して、小さい葉はちぎってしまいましょう。
■病気・害虫
食害するためセスジスズメは見つけたら殺して、ハスモンヨトウは若齢の幼虫期にエルサン乳剤を散布し、
早めに退治します。
軟腐病・汚点病・モザイク病やハダニアブラムシの影響は心配はいりません。
■栽培法
サトイモは植え付けてから芽を出すまでに一ヶ月程度かかります。
3月中旬から4月上旬ぐらいに種イモの芽出しをすると、生育がよく発芽が早まりそろって生長します。
プランターなどに仮植えして、暖かい場所に置いて芽だしをさせてください。
芽を上に向けた種イモを2〜3p程度開けて並べて、3p程度頂部が隠れるように土をかぶせます。
プランターに水をたっぷりと与え、穴をあけたビニールやポリフィルムなどで覆い日当たりのよい場所に
置き、一ヶ月後芽が2〜3cmになったら畑に植え付けましょう。
9月〜11月中旬ごろ(初霜が降りる頃まで)くらいが収穫時期です。早い品種では9月下旬頃から収穫できます。
葉が緑色から黄色になり,茎が垂れたころが収穫の目安です。
まず葉柄を根際で刈り取り、イモを傷つけないように注意しながらシャベルで周囲から掘り下げます。
イモのある場所を確かめながらスコップで周りの土を掘り出すと収穫できます。
収穫したイモは親イモから外すと腐りやすいので保存しておく場合、親イモからつけたまま土を落とさずに収穫しましょう。
保存
2〜3株の少量なら新聞紙に包み発砲スチロールに入れておきましょう。
冬場は気温が5℃以下にならない温度を保つと長く保存できます。
10株以上の場合、排水の良い場所に穴を掘って埋めて30pくらい土をかけておきます。
サトイモといえば主流なのがイモの煮っころがしや、がめ煮などの煮ものです。
また、けんちん汁などの汁ものの具として調理する事も多いでしょう。
他にはふかして味噌を塗って食べる田楽や、焼いてグラタンにしたり、ゆでてつぶしコロッケにするなどします。
イモならではのバリエーションに富んだ調理が楽しめます。
調理する際に気をつけたいのが、サトイモを洗うと手がかゆくなるという点です。
その理由は、サトイモには「ショウ酸カルシウム」という成分が含まれており
この成分が皮膚に突き刺さってかゆみを起こすと言われています。
これを防ぐにはイモを酢水につけ、手には塩や重層、酢をつけておくと効果的です。
栄養と効能
里芋独特のぬめりは、水溶性食物繊維である ガラクタン と ムチン です。
ガラクタンは、脳細胞を活性化させ痴呆やボケを予防する効果があります。
また免疫性も高めがんの発生や進行を防ぎ、風邪の予防にも働く成分です。
さらに消化を促進する作用もあり、整腸と便秘の解消に大変効果的です。
そしてムチンは体内に入るとグルクロ酸に変わり、肝臓を強化する働きがあり滋養強壮作用があります。
胃腸の調子を整え、食欲の増進効果もある低カロリーの里芋は、便秘の方やダイエットしたい方にお勧めです。
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