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トマト |
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種まき 4月中旬〜4月下旬 植え付け 5月上旬 収穫 7月〜8月
太陽の恵みをいっぱいに受けて育つトマトは、ビタミンなどの栄養をたっぷり含んだおなじみの夏野菜で、
食欲が無くなりがちな暑い夏にもほどよい酸味と甘さでさっぱり美味しく頂けます。
分類はナス科トマト属、原産地は南米アンデス高地です。
トマトは 酸味が胃液の分泌を促し、たんぱく質などの消化を助けます。
またカリウムを含んでいて、体内の余分な塩分を排泄し高血圧にならないための健康維持に役立ちます。
トマトの赤い色はリコピンという色素で強い抗酸化作用があり、ガンを防ぐ 効果が認められています。
リコピンは、ビタミンなどと同じく体内で生成できません。
リコピンはトマトを生で食べるより、真っ赤に完熟してから収穫する加工用トマトの方が圧倒的に多く含まれています。
さらにビタミンCはコラーゲンの形成に役立ち、細胞を丈夫にしてくれる効果があります。
栄養素が豊富な事から、日本における柿と同じく「トマトが赤くなると医者が青くなる」というヨーロッパのことわざがあります。
歴史
トマトは有毒植物であるべラドンナに似ていたため、毒があると信じる人も多く、最初は観賞用でした。
イタリアの貧困層で食用にしようと考える人が現れ、200年にも及ぶ開発を経て現在のかたちとなりました。
これがヨーロッパへ広まり一般的に食用となったのは18世紀のことでした。日本には江戸時代の長崎に伝わったのが最初です。
食用として利用されるようになったのは明治以降で、日本人の味覚にあった品種の育成が盛んになったのは昭和に入ってからです。
参考:農林水産省統計(平成23年産)
l 桃太郎 甘みのある、タキイ種苗が販売するトマトの品種です。
l ルネッサンス 先がとがった形の甘みより酸味のある品種です。
l サンロード 改良を重ねて野菜の様な歯ごたえ、果物の様な糖度の乗った最高級トマトです。
l 麗夏 リコピン(トマトに含まれる赤い色素)が沢山含まれている王様トマトです。
l フルティカ すごく美味しい中玉のフルーツトマトです。 フルーティーな食感と最高のトマト甘みが一体化しています。
l ポンテローザ 果実は大きく、酸味があります。桃色でへた部に緑色が残り、草たけは高く節間が長く多収品種です。
l シンディオレンジ 甘みが強く、フルーツのような食感を楽しめるオレンジ色の中玉品種です。
l 千果 甘みがある(ミニトマト)です。濃赤色でツヤのある果色 果色は鮮赤色で美しい光沢があります。
苗の選び方
l 葉が深い緑色のもの。
l 葉が黄色くなっていないもの。
l 茎が太く、まっすぐ伸びているもの。
l ポットの底の方から根が出ていないもの。
l 本葉が8〜10枚くらいついたもの。
畑栽培
l 苗。
l 苦土石灰:1uあたり150g。
l 腐葉土:1uあたり5〜10Lくらい。
l 黒土:1uあたり5〜10Lくらい。
l 有機配合肥料(野菜専用の肥料やトマト専用肥料でもOK)。
l トマト専用肥料。
l 支柱:高さ2m以上のもの。
l 結束紐(梱包用の紐でOK)。
プランター栽培
l 苗。
l 鉢:高さと深さ共に、30cm以上のもの。
l 鉢底ネット。
l 底石。
l 野菜用の培養土、またはトマト専用の土。
l トマト専用肥料。
l 支柱:高さ2m以上のもの。
l 結束紐(梱包用の紐でOK)。
■土づくり
畑栽培
大きな石は取り除き 苗を植える2〜3週間前までに 苦土石灰1u当たり150gを入れ土壌を 中和 させます。
苗を植える1週間くらい前に 腐葉土5〜10L、黒土5〜10L、有機配合肥料を投入 します。
スコップやクワで深さ30cmくらいまで土を掘り全体に混ぜ込みます。
プランター栽培
プランターに鉢底ネットを敷き、底石を3cmくらい敷き詰め野菜用の培養土、またはトマト専用の土をプランターに入れます。
また コンパニオンプランツ(寄せ植え)を利用し、土壌消毒を行って連作する方法 もあります。
トマトのコンパニオンプランツに最適なのは次のような植物です。
Ø バジル
Ø ニラ
Ø マリーゴールド
Ø レモンバーム etc…
これらをトマトの周辺に植えることで病害虫を防ぐのに効果があり、互いの育成を促します。
またトマトは連作を嫌います。
出来る限り 同じナス科の野菜を作った場所では5〜6年植え付けは避けた方が良い です。
■苗の購入・植え付け
トマトの場合、種も購入できますが種から苗を育てるのは大変ですので、販売されている苗を利用したほうがお手軽です。
9cmポットの若苗が良く販売されています。
12〜15cmポットまで鉢上げし、第1花房の花が咲くまで育苗するのが理想です。
トマトの苗はウイルス病などの病気に対する免疫力を高めたワクチン接種済みの苗もあります。
少し値段が高めですが、そちらの方が手軽に育てられます。
植え付け時期は4〜5月ごろですが、地域や天候によって異なりますので地域に合わせて植え付けを行います。
育成適温は25〜30℃前後で 日当たりを好みます ので最低5時間くらいは日の当たる場所に植えます。
畑栽培
幅70〜90cm、高さ10〜20cmのうねを作ります。
次に マルチング をします。
マルチングは株元や土の表面をビニールシートやわら・腐葉土などを利用して覆います。
雑草の抑制や土の保温・保湿効果を上げ、雨で土が跳ね返ることによる病害抑制効果があります。
本葉が6〜8枚くらいで花房がついた苗を植えます。
ポットから優しく取り出し根を傷つけないよう植えつけていきます。
2株以上植える場合は株間を40〜50cm空けて植え付けます。
植え付け後、たっぷり水を与えます。
プランター栽培
2株以上植える場合は、深くて幅70cm以上のプランターに株間を30cm以上離して植えつけます。
植えつけたら鉢の底から水が出てくるくらい、たっぷり水を与えます。
■水やり
畑栽培
土が乾いていたら水やりしますが、トマトは南米のアンデス高原が原産地で乾燥した土地でも元気に育つ品種です。
基本は1週間〜10日に1度くらいの割合で水やり します。
これはあくまでも目安で地域や気温によって地表の乾き具合が変わります。
葉が少し萎えてきたころに水やりをすると良いです。
プランター栽培
土が乾きやすいので水切れを起こさないように注意します。
マルチングは株元や土の表面をビニールシートやわら・腐葉土などを利用して覆います。
これにより雑草の抑制や土の保温・保湿効果を上げ、雨で土が跳ね返ることによる病害抑制効果があります。
■追肥・土寄せ
養分が不足し生理障害を引き起こす可能性を回避するため 追肥 を行います。
第一花房の果実が大きくなりだした頃から追肥します。
株元から20cm程度離して肥料を施します。
直接株元に撒くと根が焼けて枯れてしまうため、注意が必要です。
追肥の量は固形肥料で10〜15gが目安です。
トマトは7月ごろから収穫し始めますが、そこから収穫期間が長いので 2〜3週間に1度追肥 をします。
追肥のタイミングが分からない時は試し水として多少多めの潅水をしましょう。
2日後に草勢が強くならなければ、急いで追肥を実行しましょう。
■間引き(芽かき・摘芯)
トマトは茎の付け根からわき芽が伸びてきます。
放置するとわき芽に栄養を奪われ、実の成長を阻害するので取ります。
茎の先端を摘むことを 摘心 といいます。
5〜6段目まで花房が付いたら上の葉2枚を残して上部を摘心します。
実の数を制限することができ、トマトがおいしく育ちます。
■病気・害虫
梅雨ごろから葉、茎、果実が枯れる疫病には ダコニール、ダイセン、オーソサイドなどを散布します。
しおれて立ち枯れ状態になるのは青枯れ病やいちょう病でいずれも根から起こります。
葉が縮れる、針のようにとがる、モザイク状の斑点が出来るなどの モザイク病は株ごと焼却処分します。
■栽培法
仮支柱を立てる
植え付けをしたらある程度大きくなるまでは、苗が倒れないように仮支柱を支えに立てます。
仮支柱は苗が小さいうちの支えになるだけで良いので、ある程度しっかりした棒であれば短めなもの(割り箸など)で大丈夫です。
苗と支柱に距離感があるため、紐を長めにして結びつけると良いです。
支柱を立てる
苗が成長して実をたくさんつけると、重みで茎が倒れてしまいます。
なので、茎が倒れないように支柱を立てて支える必要があります。
苗がしっかりと育ってきたら、支柱を立てます。
支柱用の棒は園芸店で普通に購入できます。
トマトはこの支柱に添わせて育てていきます。
支柱の立て方のおすすめは中心に1本茎を添わせる支柱を立て、外側に3本の支柱を立てます。
その4本の先端を上で縛ると縦長ピラミッド状の形になります。
茎を支柱に縛るときは園芸用のビニールタイを使うと便利です。
支柱に、茎を軽くゆるめに巻きつけていきます。茎が伸びて太くなっても大丈夫なようにしておきます。
誘引
トマトは放置すると地面を這って成長していくため、誘引して立ち木にする必要があります。
風などで小さな苗が揺すられないために誘引します。ポイントは8の字にして結ぶ事です。
これは幹が成長した時に幹を締め付け、生育の妨げになるのを防ぐためです。
そうすることで、紐に広がる余裕が出ます。苗の成長に合わせて定期的に誘引します。
誘引が遅れてしまうと苗が折れるなど、誘引作業に手間がかかるのでその都度チェックして誘引します。
割合としては週1回程度行います。
定果率の向上
トマトの花は定果率が低いのでホルモン処理や振動受粉を行います。
代表的なホルモン剤に トマトトーン があります。
使う際の注意点として、1つの花に何度もかけないことです。
何度もかけてしまうと、実が奇形になる事があるからです。
振動受粉は花の根元の茎をつまんで揺することで、自受粉が促されます。
植え付けから2〜3ヶ月たった7月頃になり、実が真っ赤に完熟したら待望の収穫です。
トマトは日照時間によって実の付き方も変わりますので、出来れば日向の方が育ちは良いです。
完熟したトマトは保存袋に入れて、5度くらいの温度の場所で保存します。
未熟なものは常温で置いておけば次第に甘味がでてきます。
トマトは均一に色が付いていて、ヘタの周りに緑色が残っているものを選びます。
ヘタが濃い緑色で切り口が新鮮なもの、丸みがあってずっしりと重いものが良いです。
ちなみに水に沈むものは糖度が高いものです。
トマトは、いろいろな食べ方があります。
サラダ、スパゲティ、オムレツ、シチューなど、用途は多岐にわたります。
チーズをのせてオーブンで焼いたり、炒め物に入れたりしても良いでしょう。
クエン酸が脂っこさを中和してくれますから肉類の煮込み料理などには最適です。
スープや煮込み料理に使う時は、キレイに仕上げるために皮と種を取り除きます。
湯むきといって底に浅く十文字に切り目を入れ、さっと熱湯に通し冷水にとると皮が簡単にむけます。
お酒の飲みすぎで胃炎を起こした時には、生のトマトを食べると胃のむかつきをおさえる効果があります。
空腹時に生のトマトを1〜2個食べると、心臓病にならないための健康維持に効果があると言われています。
口内炎ができた時にはトマトジュースを数分間、口の中に含むと炎症をおさえる働きがあります。
また赤くならなかった青トマトも、味噌漬けやお漬物にすると美味しいので青いトマトも捨てずに収穫出来ます。
栄養と効能
赤色の成分、リコピンは強力な抗酸化作用 があります。
また喫煙、飲酒、ストレス、紫外線などで増加するがんや動脈硬化を引き起こすきっかけとなる
活性酸素を抑える効果 があります。また体内の 脂肪増加を抑える効果 もあります。
ただしトマトは体を冷やす食べ物ですので、温め効果のある食材であるニンニク、しょうが、唐辛子などを
加えて冷えすぎに注意しましよう。
オリーブオイルをプラスすることにより、酸化しにくいオレイン酸を含むのでダイエット中でも
安心して取ることが出来ます。美肌をつくるビタミンC、シミやシワを防止するリコピン、
うるおいをもたらすビタミンA、肌荒れ防止のビタミンHなどがあるので、美肌やダイエットには欠かせません。
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