種まき |
植え付け |
種イモの植え付け |
収穫 |
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トウモロコシ |
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種まき 5月中旬〜7月中旬 収穫 7月中旬〜9月
アメリカ大陸原産のイネ科の1年草です。
ススキの穂のように見える雄花と、幹の部分からもじゃもじゃと毛のように出ている雌花があります。
雌花は最初淡い緑色で実が熟すと茶色になり、収穫の適期を教えてくれます。
毛1本から粒が1個でき、無数に生えている毛の1本1本が粒1つ1つとつながっています。
自分の株ではなく他の株の花粉からしか受粉できない他家受精なので、栽培するときは必ず複数植えなければ実が成りません。
そのため自然な状態では風や虫に花粉を運んでもらう必要があります。
家庭菜園では、人工受粉が確実です。
栄養素は 炭水化物、必須脂肪酸 である リノール酸(血中コレステロール低下、血圧低下、動脈硬化予防)
ビタミンE(高抗酸化作用、冷え性、肩こり、更年期障害、疲労回復)、食物繊維(便通効果) なども多く含まれています。
参考:農林水産省統計(平成23年度産)
主に日本では食用に流通しているトウモロコシの大半がスイートコーンのため、甘いイメージが強いです。
他には甘くなくて主に南米で主食に用いられる硬粒種、ポップコーンを作るのに使われる爆粒種などがあります。
また家畜の飼料に用いられる馬歯種もあります。
実の色がすべて黄色の品種、白が混ざっている品種、すべて白い品種など、品種によって実の色が異なります。
l イエロー品種
種から栽培しておよそ3ヶ月強で収穫できる、比較的成長の早い野菜です。
その中でも特に早く収穫できるのがSS131やマリーゴールド11、ゴールドラッシュです。
SS131は早生の中でも甘みの強い品種、ゴールドラッシュは大ぶりで先までびっしりと実がつく品種です。
他に、非常に甘くて生でも美味しいフルーツコーンというものがあります。
品種としては味来390やサニーショコラなどがあります。
² SS131 早生の中でも甘みの強い品種、その中でも特に早く収穫できる品種です。
² マリーゴールド11 種から栽培しておよそ3ヶ月強で収穫でき、生長の早い品種です。
² ゴールドラッシュ 先端不稔がなく、2Lサイズで安定して収穫でき粒皮が柔らかく、さわやかな甘みの良い品種です。
² 味来390 皮が柔らかくフルーティーで甘い食感なので、食味では一番との評価を得ています。
² サニーショコラ スッキリとしたフルーツ系の甘味を持つ淡い黄色粒の品種です。
l バイカラー品種(黄色と白の2色)
イエロー品種と比べて甘みが強い品種が多いです。
l ホワイト品種
実がクリーム色もしくは白色の品種で、スーパーなどではあまり見かけないタイプです。
特に実が白いのが特徴のプラチナコーン、クリーム色で粒のやわらかいバニラッシュなどがあります。
² プラチナコーン 実が白いのが特徴の品種です。
² バニラッシュ ホワイト系品種でのなかでも珍しいクリーム色で甘みが強く、粒皮も柔らかで食味が良い品種です。
l 小柄なピクニックコーン品種
そんな中で、特に甘さと粒のやわらかさを追求したハーモニーショコラという品種があります。
トウモロコシは収穫適期を逃すとすぐに甘みが失われていきますが、甘みが低下しづらく収穫適期の幅が
広い品種として、ゆめのコーンがあります。また、ピーター235は緑色の皮が長いです。
² ハーモニーショコラ 小柄なピクニックコーンで、特に甘さと粒の柔らかさを追求した品種です。
² ゆめのコーン 甘味が強く粒皮が柔らかな、食味にすぐれた中早生種です。
² ピ−ター235 緑色の皮が長く、比較的鳥害や虫害にあいにくいのが特徴の品種です。
l 種。
l 苦土石灰。
l 野菜専用肥料。
※ 専用肥料がない場合、有機配合肥料や化成肥料などを用意。
l 支柱1株3本程(120m程のもの)。
l ひも(結束用)。
l 黒のマルチフィルムまたはわらや腐葉土。
プランター栽培
l 種。
l プランター(深さ20cm以上の大型のもの)または10号前後の鉢。
l 鉢底ネット。
l 底石。
l 野菜専用の培養土(元肥入り)。
※ 肥料も混ざっており、そのまま使える状態の土が売っています。
l プランターで栽培するときはこちらを使用すると便利。
l 野菜専用肥料(追肥の分は液体タイプでも可)
※ 専用肥料がない場合は、有機配合肥料や化成肥料などを用意。
l 支柱2〜3本(8cm程のもの)。
l ひも(結束用)。
l 黒のマルチフィルムまたはわらや腐葉土。
■土づくり
土づくりとしては、吸肥力が強いとうもろこしの根が広く深く伸びるよう有機物を豊富にいれましょう。
根はりが浅く、狭い範囲でしか伸びることができない環境では成熟したときに強風で根が動き生育後半に悪影響を与えます。
よって、根はりがしやすい土づくりが大事です。
有機物は肥料分の少ない落ち葉やワラ堆肥などを十分入れ、耕土が深くなるように土起こしをしておきます。
肥料は苗の定植1ヵ月ほど前に心土までの幅広溝を掘ります。
落ち葉や腐熟しかけたワラに米ぬか300g/uと、鶏糞300g/u程を入れ元肥とします。
■種まき・植え付け
種まきから収穫まで約90日前後が一般的ですので、栽培地域にもよりますが夏の収穫を考えて
4月中旬から5月下旬にかけて種まきを行います。
トウモロコシは虫や風など自然の力を利用して受粉するので、より受粉しやすいよう2条まきにします。
株間を30cmとし1箇所に3粒ずつまきます。
このとき種は3cm以上の深さに植えてさらに上から土を2〜3cmくらいかけます。
その上に種が隠れるまで土をかぶせ上からしっかりと押さえます。
■水やり
夏場の乾燥期の水やりが大事です。
トウモロコシは生育が極めて旺盛で、実の充実には大量の水分が必要です。
特に乾燥期の続く7月〜8月はこまめに潅水する必要があります。
■追肥・土寄せ
草丈が50cmぐらいの時、株元からわき芽が発生します。
この頃に、再び同様に追肥し株が倒れないように土寄せをしておきます。
9月〜10月まで追肥は収穫までに3回行います。
1回目は間引いて1本立ちにした直後に行います。
株元に化成肥料を30g/uぱらぱらとまいてやります。
2回目は種まきから1ヶ月たった時期に行います。
1回目と同様、株元に化成肥料を30g/uぱらぱらとまきます。
3回目は穂が出てきた頃に行います。
およそ種まきから2ヵ月後になります。
このときも1回目と同様、株元に化成肥料を30g/uぱらぱらとまきます。
追肥後は土寄せをします。
■間引き(芽かき・摘芯)
草丈が10〜15cm程度で本葉が1〜2枚のころに1回目の間引きをします。
種まきからおよそ10〜14日でこの程度まで生長します。
1回目の間引きでは3つのうち1番生育の悪いものを1本引き抜き、1箇所に2株の2本立ちの状態にします。
草丈が30cmにまで生長し、本葉が4〜5枚になったころに2回目の間引きをします。
2株のうち生育の悪い株を間引き1本立ちにします。
また雑草もこの時に取りのぞきます。
■病気・害虫
アブラムシや若い実を食害するアワノメイガは初期に退治しましょう。
■栽培法
マルチ除去
種まきから1ヶ月ほど経過し肥料が欠乏すると、下の方の葉が黄色くなります。
この頃には葉が6〜9枚になり、日光が地面にあたりにくくなるためマルチの効果がなくなりますので除去します。
開花
土は湿りすぎや乾きすぎもよくないので、水やりには注意が必要です。
種まきから2〜3ヶ月がたつと、雌穂(しずい)が3本程現れます。
1番上の雌穂だけを残して他を摘み取ります。
その後、茎の先端に雄穂(ゆうずい)が現れて開花します。
支柱立て
トウモロコシは風に弱く、倒伏(とうふく;作物が生長してその自重で地面に倒れ伏すること)
すると大きな被害が出ます。風が弱ければ支柱無しでも大丈夫ですが、
風が心配な畑では支柱を立てて支えてください。1番安全なのは1株ごとに支柱を立てます。
難しいようなら周りをロープで囲むように支えます。
人工受粉
雌穂にひげが出る頃に手で揺らすと、目で見えるほど大量の花粉が飛びます。
雄穂を切り取って直接ひげに花粉を付ける人工授粉を行うとさらに効果的です。
除房(ヤングコーンの収穫)
トウモロコシの雌穂は1株に数本出てきます。
一応全てトウモロコシにはなりますが、そのままだと養分が分散してまともに育ちません。
そこでひげが出始めた頃に不要な雌穂を折り取る、除房 をします。
質のいい実を採りたければ1株1本です。
除房で取り除いた小さな雌穂が、ヤングコーンやベビーコーンとして売られているものです。
収穫後の茎や葉
トウモロコシはとても肥料食いの植物で、吸い上げた養分は実を収穫した後の茎や葉にも残っています。
そのため収穫後の茎葉は畝に穴を掘って埋めるか、小さく刻んでそのまま畝に鋤(すき)込んでください。
連作障害(1年)があるため、分解するまで畝を空けないといけませんが、養分になり土壌改良にもなります。
その意味で収穫後も無駄の無い野菜といえます。
6月末〜8月上旬に房が大きく育ち、雌穂が出てから20〜25日が収穫の適期です。
実の先端につく毛が褐色になるのを目安にしましょう。 収穫適期は短く3日ほどしかありません。
早すぎると未熟な状態で遅いと粒が凹んだ感じにしわができてきます。
なかなか判断が難しいのですが、3週間過ぎたら先端から中を覗きつつ、
房の根元を持って下に折れば簡単に収穫できます。
トウモロコシは朝摘みのものが美味しいとされていますが、
日中の太陽光で作られた栄養を夜甘みに変えるためです。
ところが、再び日中になるとその甘みは成長のために使われ失われていきます。
そのため 早朝に収穫したトウモロコシが1番おいしい のです。
また、トウモロコシは収穫後の鮮度低下がとても激しい野菜で、
「トウモロコシは鍋に火をかけてから採りに行け」と言われるぐらいです。
原因は収穫後も実の中にある糖分をデンプンに変えてしまうためです。
そのため、調理する直前に収穫するのが理想的です。
ゆでた後、冷蔵庫で実を立てておくことが美味しさを保つコツ です。
横に倒れても立ち上がろうとする背地性があるため、
実が横になっていると起き上がろうとして甘みのもとである糖分を
エネルギーとして消費してしまうのです。
また、皮を1〜2枚つけたままラップでくるみ冷凍するとしばらく保存できます。
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